rasterize
脳内のイメージを出力するための変換とかそんなイメージ
2008'02.05.Tue
最近冒頭でとまってしまうもののなんて多いこと。
どれだけ出来てない状態から手をつけようとしてたのかがわかるってもんです。
ということでそんなプロローグのうちのひとつからお届け。
どれだけ出来てない状態から手をつけようとしてたのかがわかるってもんです。
ということでそんなプロローグのうちのひとつからお届け。
「ただいま」
返事がないのはそう珍しいことじゃない。僕の家族は集中しだすとまさに周りが見えなくなる。ただ、返事がないのに「いる」と断言してしまうのには不安ものこるから、家族を探して歩く。リビングからネコの声が聞こえる。地下の書庫の明かりがついてるのと些細な物音を確認する。いつも騒がしい兄弟は、まだ帰っていないみたいだ。二階の書斎、ここだけはお手軽には行かない。父からしっかり挨拶にくるように言われてる。とかけば厳しい家に聞こえるけれどそうではない。ただ、父の職業の関係でしっかり取り決めをつけなけければ、毎日父の顔を見ることがなくなってしまうのを父は懸念してるようだった。
ドアを二回ノック。声を聞いて扉を開ける。
「ただいま」
「おかえり、泉。鏡はいっしょじゃないんだな?」
「鏡は部活だって」
「そうか」
「仕事、終わりそう?」
「ああ、たぶん。遠野さんが着たら書庫であいつに相手をしてもらっといてくれ」
「わかった。がんばってね」
PR
Post your Comment
カレンダー
プロフィール
忍者ポイント広告