彼女の順番

今、脳内で展開してる話の、昔の話。
雰囲気と、メモと、生存報告のために。

「ドクター。私は、私の体は間に合いますか？」
「僕のプライドを懸けても間に合わせるよ」
「そうですか……」
「僕の言葉はそんなに信用がないかな？」
「そんなことはありません」
「不安なのかい？」
「間に合わないことが、不安です」
「君の行く末ではなく？」
「ええ。だって、わたしはそのために生かされたのでしょう？
私の生涯に与えられた役割を奪われるほうが、よっぽど怖いです」
「僕は、もうすぐ人懐っこい君の笑う顔が見れなくなるかと思うと寂しいよ」
「でも、私以外のみんなの笑顔が見れますよ、みんな、可愛い子ですよ」
「そうだね。でも、君のかわりにはならない」
「それでも、それはあの子たちの誰もが私の変わりにならなかった結果です」
「自分じゃなければと思ったことはないのかい？」
「自分でよかったと、そう思うばかりですよ」
「運命を呪ったこともないのかい？」
「ここに着てからは全く。だいたい、ドクターと同じように考えろというほうが無茶なんです」
「君がなんと言おうと、そう言える君を僕は哀れむよ」
「……そうですか」
「そうだよ。じゃあ、今日はこれでおしまい。くれぐれも無茶はしないでくれよ」
「わかってます。ありがとうございました」